XF16-55mm f2.8R WR

大きくて重い、よく写るレンズ。仕事撮りでは必携。

「単焦点よりは劣る」という評価も見られますが、収差なくカリカリと解像してコントラストも高くそれなりにボケるという、間違いなく単焦点に勝る一面があります。

カメラいじりを楽しむのではなく、Xマウントで純粋に良い写真を撮る という用途では最適かと。

でも、他のフルサイズ機を所有していればそちらに純正ズームの組み合わせの方が良いかも知れません。フルサイズ機に負けないくらい大きく重くなりますので。

ちょっと言い直せば、「Xマウント一本で」純粋に良い写真を撮る用途で最適 ですね。

いやでも本当に良いレンズです。

X-PRO3について

X-PRO3、ネットでの評価がやたら高い。X-PROシリーズはいつもそう。

よく写るとか撮りやすいとか書かれているが、良いのはそこではない。

写真を撮るのが面倒くさいカメラ です。

面倒くさい というのは、昨今のカメラのように「シャッターを押せばきれいに撮れる」のとは対極で、

ファインダーを覗いて

ピントを合わせて

構図を決めて

露出を決めて

シャッターを切っても、良く撮れたかどうかわからない。

ようにも撮影できる。

シャッターを押せばきれいに撮れる 的な使い方もできる が、いちいち液晶画面を開いてから と、やはり面倒くさい。

撮影とは、そもそも面倒くさいもの。

メカを操作して、使いこなした結果、良く撮れるようになる

という喜びがX-PROシリーズにはあります。

なので、MFレンズとの相性は抜群。

しかもOVFでピントを合わせるのが面倒くさくて、1枚撮るために必死こくのが楽しい。

どうせ「変態カメラ」なんだから、AF搭載してくれなくも良い。

手ブレ補正も付いて欲しいけど、付けて欲しくない矛盾。

そんな 道具なのに人間らしいと言うか、愛すべきカメラであり、撮影行為の楽しさがわかる人にはすこぶる評価が高いのだと思うのです。

XF18mm f1.4R LM

カリッカリに解像して、寄れるからボケも作りやすい。

XF16mmも似たキャラだが、カリカリ度が1枚上。

XF35mmのような曖昧さが無い。

「MORE SHARPNESS」というコンセプトの元、33mm / 23mm も同じようなタイプの写りとなるとの事。

ソリッドで真面目な彼らに対し、Voightlanderの35mmf1.2 MF など、小型軽量で不真面目なレンズも出続いている。

単なる物欲だが 次はあれが欲しい という思いは生きるエネルギーになる。

「最後の一社になっても、写真事業を継続し、写真文化を守り続ける」

FUJIFILM様のありがたいお言葉。

最低限、私が爺様になるまで新しいもの・楽しいものを提供し続けていただきたいものです。

X-PRO2とX-T2

比較される事の多い(?)X-PRO2とX-T2ですが、撮れる写真は全く同じではないかと感じます。

ボディの放熱効率の差により、X-PRO2/X-T20と比べ、X-T2はダイナミックレンジ・高感度ノイズ耐性に多少優れる、という検証データを見たことがありますが、実用した限りでは差がわかりませんでした。

ただし、撮れる写真ではない部分にはかなり大きな差・違いがあると言いますか、そもそも別物。

動体撮影におけるEVFの見えはサイズが大きくフレームレートの高いX-T2が上である事は当然として、動体AF精度もX-T2の方が上であるように感じます。AF-Cカスタム設定の「カスタム」有り無しの差も(利用する者にとっては)大きいと思います。

仕事現場では露出はじめ設定を細かく変更しますので、ISO感度やドライブをダイヤルで直接変更できる点、X-T2が扱いやすく感じます。

三脚にセットした場合は背面液晶を使う機会が多く、バリアングルであるX-T2の方がよろしいです。

以上、業務用途では断然X-T2の方が扱いやすく、非常に「真面目」なカメラであると感じております。

対するX-PRO2は非常に「不真面目」。

OVFは目的ありきのシーンでは全く役に立ちません。実に不合理。
面白いかも知れないけど使えないな と、当初は思っていました。

が、ちょっとずつですがOVFでも思い通りに撮れるようになってきまして。

撮れた結果を先に確認するのではなく、結果を頭でイメージし そうなるようにカメラを操作してシャッターを切る というのが本来の撮影行為というものであり、それは誰でも簡単にできるものではなく、練習が必要であり、如実に個性が現れるものでもあります。

自動露出・自動焦点にはじまり、カメラはさまざまな機能の自動化が進み、今や一眼レフ機でさえ「被写体にカメラを向けてシャッターを切るだけ」で写真が撮れるようになってしまいました。

それは、目的ありきの業務用途では非常に便利でありがたい事なのですが、「撮影行為という楽しみ」はすっかり損なわれてしまっています。

EOS 5D mark3 は、まさしくそういう「自動撮影」ができるカメラでした。
被写体をファインダーで覗いてシャッターを切れば、ほぼ問題のない写真を「撮ってくれる」実に真面目な機械です。

X-PRO2が不真面目なのは「そこんとこ お前がやれや 練習しろや 腕磨けや」と現代の「カメラが行うべき仕事」を放棄しているところ。

本当は一番楽しい「そこんとこ」をわかっているが故の設計であり、だからX-T2との「ダブルフラッグシップ」が必要なのだと思います。

カメラを携行する

FUJIFILMへ移行してから、カメラを携行する機会が増えました。

増えたと言うよりほぼいつも持ち出しています。

これによって、写真を撮る機会が増え、要望に対するフットワークも軽くなり、良い写真を多く撮る事が出来るかも と考えていました。

が しかし

写真展に展示して多くの方へお見せしたい写真は、片手間ではなかなか撮れません。今年の写真展へ出展する写真も悩んでおります。

「撮るぞ と決めて準備をして、現場へ足を運んで丁寧に撮影する」

のが自分のやり方・ワークフローであります。

スナップカメラを片手にshootして「作品」を産み出す事にはまだしっくり来ておらず。

ミラーレス移行した結果、道具が軽くなり日常的に良くカメラに触り写真を撮るようにはなりましたが、本当の「結果」が伴ってくるのはまだ先のようです。

 

XF16-55mmとXF50-140mm

とある撮影業務を終え、結果を比べると50-140mmの方が圧倒的に良く撮れていた。

50-140mmはX-T2、16-55mmはX-PRO2で撮ったのでカメラの違い(jpeg現像の違い・ピント精度の違い)かも と思い、55mm付近を検証してみたところ、解像感が高いと感じたX-T2で16-55mmを絞って解像力ピークにした場合でも、X-PRO2+50-140mmの開放の方がよく解像する。

XF56mmf1.2とも比較したが、50-140mmのそれは遜色が無い。

実戦ケースで頻度が高い、被写体との距離が一桁メートル程度のテストだったので、近接撮影時や遠景はどうかは解らない。
が、XF16-55mmは単焦点に「迫る」レンズであるが、XF50-140mmは単焦点と「遜色ない」レンズであり、両機の撮像性能差は大きい と感じた。