退院祝いに

親父、去年、胃癌を患った。
運良く早期発見出来たため、内視鏡手術で患部を剥離させるだけで済み、手術も無事成功、経過も良好だった。

良くなったら、はた善 に行こう!

って約束してたけど、当然しばらく酒は控えなければならなかったり、そもそも糖尿も患っている事から、タイミングを掴めずにいた。

けど、つい先日、一緒にはた善さんへ行く事が出来た。
親父には初めての店。大変喜んでくれた。

遅くなったけど1年越しの退院祝い。楽しく飲み食いが出来て良かった。

親父、67歳。
医者からは、あと3年生きる事が出来る と言われてる。

あと何回一緒に行けるかな。

でも、この位の歳まで生きていてくれたから、あと3年ならそれでいいと思う。

荒んでいた若い頃の暮らしぶりとは全然違い、今は安定した生活が送れて、それなりに家族と仲良く過ごすことが出来ていると思う。

きっと今は幸せだろう。

人生の終わり際、こういう形の幸せの中にいられる事は素晴らしい事だと思う。

逝くなら、こういう幸せの中で逝ってほしいと思うし、自分もそうでありたい。

人生の全てではなくて、一部の事だけど、死に様は生き様そのものでもある。
まだ死んだ訳でないけど、初めて、「親父のようになりたいな」 って思えた。

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