この世は天国ではなく

生活に余裕が出来、家をリフォームして住みやすくし、愛する家族と良い友達に囲まれ、仕事も順調。

そんな中、光志を授かりました。

可愛い赤ん坊を抱き、家族みんなで可愛がり、写真をたくさん撮り、それはもう理想郷であり天国そのものでした。

しかし、この世はこの世であり、天国ではありません。

突然あの世へ帰ってしまった光志。

天国から地獄へ落とされたのかと思ったのですが、そうではないですね。

少しの間、我が家に天使が舞い降り、天国の有り様を見せてくれたのでしょう。

「もうこれ以上の幸せは望まない。もう十分」

そう思ったのは間違いでした。

ここは この世 であり、修行の場 ですね。

苦は乗り越えるもの。

悲痛な心ではなく、穏やかな心で人と接し、家族・友達を愛する事。

与えられた力、手に入れた力は使うもの。

これでよいと満足せず磨き続けるもの。

人生の終焉を迎え、愛しい我が子と再開する時、胸を張っていられるか。

「次に生まれ出る時はこういう風でありなさい」

と堂々と言えるか。

今でも時々、

夢から覚めないかな

時間が戻ればな

と思ってしまいますが、死に様を見据えて生きている ここ は 天国でも地獄でもなく この世 なのですね。

 

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